DMI/ADXとは
DMIとは、正式名称がDirectional Movement Indexと呼ばれており、
日本語では、「方向性指数」という意味を表しています。
RSIやパラボリックを考案したJ.W.ワイルダーが作成しました。
DMIとは市場のトレンドの有無を判断するために開発されているテクニカル指標です。
一方に傾くトレンド相場の時にはRSIなどのオシレーター系指標が役立たないため、
DMI/ADXとはオシレーター系指標のデメリットを克服するために作成されたと言われています。
数々の優れたテクニカル指標を生み出したJ.W.ワイルダー氏は、
「DMIは私が生涯で最も魅力を感じた研究である。
この概念を数値で表すことに成功したことが私の人生の最大の成果だ。」
と言っています。
また、テクニカル分析研究家の第一人者チャールズ・ルボー氏は著書の中でこう言っています。
「ADXを正しく読み取ることが出来れば儲かる相場を見つけられる確率は大きく上がるだろう。
これは極めて応用範囲の広い非常に有効な指標である。
結論としてあらゆるテクニカル指標の中でADXは最も使える指標である。」
それほど信頼性があるということですね。
世界にはDMIとADXだけを活用してトレードするトレーダーがいるのは有名な話ですね。
ADXとは
ADXとは、「Average Directional Movement Index」の略で、
本来DMIの中の1つの線だったのですが、近年ADXの方が有名になり、
MT4ではADXという名前でDMIが用意されています。
+DIと-DIとはある期間の価格の動きのうち±方向の割合を表すものですが、
ADXは上昇トレンド・下降トレンドの方向を気にせずにトレンドがある場合に上昇していきます。
ADXが上昇している場合はトレンドが進行中で、
下降トレンドの場合はトレンドが調整でありレンジであると判断します。
また
+DIが-DIより下にあれば:下降トレンド
と判断します。
つまり、DMIと一緒にADXを活用して、トレンドの方向と強さを判断します。
基本的にDMIとADXはセットで活用します。
-DI:売り手の強さを判断する
ADX:トレンドの強さや強いトレンドが発生しているかどうかを判断する
DMI/ADXは使えないのは本当なのか
DMI/ADXは使えないと巷で言われていますが、そんなことはありません。
DMI/ADXは使えないというのは知識はあるがトレードでは役立てることができていないからです。
大切なのは、DMI/ADXを知識としてではなく、
トレードに役立てるレベルで理解するということです。
DMI/ADXの計算式
DMI/ADXの計算式について説明します。
+DIと-DIを求める場合は、+DM(上昇幅)と-DM(下落幅)を求める必要があります。
計算式は、以下の通りです。
-DM:前日の安値-当日の安値
上記の計算式が基本ですが、以下の条件があります。
条件②-DM<0の場合→-DM=0
条件③+DM>-DMの場合→-DM=0
条件④-DM>+DMの場合→+DM=0
続いて、一日の最大の値動きであるTR(True Range)を求めます。
TRは以下の3つの中から最大値になるものを使用します。
B:前日の終値-当日の安値
C:当日の高値-当日の安値
続いて、+DIと-DIを求めます。
-DI:(N日間のーDM合計÷N日間のTRの合計)×100
最後にADXを求めます。
ADX = DXのN日間平均
DMI/ADXの期間
ADXのデフォルト期間は「14」です。14日間の平均値をベースに考えています。
ですので、FX初心者は理由が無い限りは、ADXの期間は14に設定しておきましょう。
DMI/ADXの使い方
DMI/ADXの使い方について説明します。
トレンドの方向性を判断できる
DMI/ADXはトレンドの方向性を判断することができます。
+DIが-DIの上にあれば上昇トレンドの発生が想定されます。
-DIが+DIの上にあれば下降トレンドの発生が想定されます。
ボラティリティを判断できる
ADXがどこのラインに推移しているかで、
ボラティリティがあるかどうかも判断することができます。
ADXが20以上〜30以下:普通のボラティリティ
ADXが30以上:強いボラティリティ
トレンドフォローでは、ADXが30以上のボラティリティを狙うのが良いです。
また、ADXが20以下の場合はレンジ相場です。
トレンドの継続と終了が分かる
DMI/ADXでトレンドの継続と終了が分かります。
ADXが上昇していれば上昇トレンド下降トレンド関係なくトレンドが継続しています。
ADXが右肩下がりで下降している場合は上昇トレンドや下降トレンドは終了になります。
DMI/ADXの組み合わせ
DMI/ADXの組み合わせについて説明します。
DMI/ADXの組み合わせにオススメなのが移動平均線です。
移動平均線がパーフェクトオーダー時で、
ADXが右肩上がりで上昇している場合は、ボラティリティがありトレンドの強さもあるので、
トレンドフォローとして活用することができます。
移動平均線が上昇パーフェクトオーダー時にADXが30以上であればロングエントリーします。
移動平均線が下降パーフェクトオーダー時にADXが30以上であればショートエントリーします。
DMI/ADXのオススメのインジケーター
DMI/ADXのオススメのインジケーターについて説明します。
ADX Tor
ADX TORはサブウィンドウに1分足〜月足までの
ADXのボラティリティを表示するインジケーターです。
Advanced ADX
Advanced ADXはADXをベースにしたインジケーターです。
ADXをヒストグラム化しておりトレンドの強弱を表しています。
itrend Averages
Itrend AveragesはADXとDMIが色分けて表示されるインジケーターです。
まとめ
DMIとADXは海外では人気なテクニカル分析なので、
もし興味があればぜひ活用してみてください。
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