Market Structureとは
Market Structureは日本語で「市場構造」と言います。
市場の動きやトレンドを理解するための重要な概念です。
主に、価格がどのようにして高値や安値を形成し、
これらが相互にどのように関連しているかを分析します。
スイングハイとスイングロー
スイングハイとは、ある最高値を中心として高値の低いローソク足が前後N本できている状態です。
スイングローとは、ある最安値を中心として安値の高いローソク足が前後N本できている状態です。
スイングハイとスイングローは高値や安値を認識します。
SMCでは3本のローソク足をベースに高値や安値を判断します。
他にもスイングハイやスイングローを自動的に見つけるインジケーターとして、
デフォルトにある「Fractals」が代用されます。
Fractalsは5本とSMCよりも数が多いですが、
その分より高値や安値の判断が明確になります。どちらでカウントしても問題はないです。
Bullish Trend/Bearish Trend
それぞれの高値と安値は、海外では「HH-HL-LH-LL」で表現するのが基本です。
それぞれの意味合いは以下のようになります。
HL：Higher Low＝高値を切り上げているところでの安値
LH：Lower High＝安値を切り下げているところでの高値
LL：Lower Low＝安値を切り下げているところでの安値
HHとHLの更新で「Bullish Trend」になります。
Bullish Trendは上昇トレンドのことを意味します。
LLとLHの更新によって「Bearish Trend」になります。
Bearish Trendは下降トレンドのことを意味します。
補足として、牛と熊を使うのかの由来ですが、
牛は角で突き上げるため上昇トレンドになります。
熊は上から下に爪で引っ掛けるため下降トレンドになります。
CHoCH（チョック）
CHoCH（チョック）とは、「Change of Character」の略語です。
ダウ理論的に言えば「押し安値や戻り高値をブレイクしてトレンド転換すること」です。
CHoCH（チョック）と似た考えとして、「CISD」というものも存在します。
CISDとは「Change In State Of Delivery」の頭文字を取ったものです。
CISDとCHoCHの違いですが、トレンド転換したことの定義づけが異なります。
CHoCHの場合は、
押し安値や戻り高値のヒゲを含んだ価格帯を終値が更新した場合にトレンド転換と定義しますが、
一方、CISDでは、押し安値や戻り高値の始値を終値が更新した場合にトレンド転換と定義します。
CISD：押し安値や戻り高値の始値を終値が更新した段階でトレンド転換
BoS（ボス）
BOS（ボス）とは「Break Of Structure」の略語です。
「直近のスイングの高値や安値をブレイクした価格帯のこと」を言います。
なお、ローソク足のヒゲでブレイクしてもBOSとみなすのがルールです。
ダウ理論で言えば、直近の高値や安値をブレイクして更新している状態になります。
Premium/Discount
Premium/Discountとは、
「スイングハイとスイングローの間の価格の50%を中心にして割安か割高かを判断」します。
Discount：50%以下
です。
トレードの基本は「安く買って高く売ること」なので、
今、あなたがロングエントリーを狙っているのであれば、
50%以下で、できる限りDiscountから狙うべきであり、
今、あなたがショートエントリーを狙っているのであれば、
50%以上で、できる限りPremiumから狙うべきになります。
Premium/Discountを活用し、より良いリスクリワードでエントリーを心がけます。
Premium/Discountを意識してトレードすることで、リスクリワードが格段に良くなります。
なるべく押し目買いを狙う場合は、
よりDiscountから狙うとリスクリワードが良くなりますし、
なるべく戻り売りを狙う場合は、
よりPremiumから狙うとリスクリワードが良くなります。
PD Array
PD Arrayとは、Premium/Discountの配列になります。
価格がPremium/Discountゾーンに入った場合に
PD Arrayを順番にチェックして、該当している場合に仕掛ける価格帯として活用します。
PD Arrayの種類は以下のとおりです。
②Breaker Block
③iFVG
④RDRB
⑤Liquidity Void
⑥FVG
⑦Order Block
⑧Rejection Block
⑨Old High/Old Low
Mitigation Block
Mitigation Blockとは、高値もしくは安値を更新できず、
そのままトレンド転換するパターンです。
Breaker Blockと似ていますが、高値もしくは安値を更新できたかどうかで判断しましょう。
Breaker Block
Breaker Blockは、オーダーブロックをブレイクして逆方向に機能する価格帯です。
高値や安値を更新後に急激に反対方向に動き、トレンド転換するのが特徴です。
Breaker BlockとMitigation Blockは似ていますが、
高値や安値を更新しているかどうかが大きな違いになります。
イメージだと以下のようになります。
Breaker Block：ヘッドアンドショルダー系
iFVG（Inversion Fair Value Gaps）
iFVGとは、「Inversion Fair Value Gaps」の頭文字を取ったものです。
IFVGは「FVGが発生したが無視された価格帯」です。
FVGの価格帯をブレイクして終値が確定したあとは、
価格が終了した方向にサポレジラインとして機能します。
Inversionの意味は「反転や裏返し」です。
つまり、ブレイク後に逆にサポートされる価格帯になります。
RDRB（Re-Deliverd Re-Balance）
RDRBは「Re-Deliverd Re-Balance」の頭文字を取ったものです。
RDRBは偏った価格が、一度リバランスされた後に
再度トレンド方向に動くというSMCのプライスアクションの一つです。
また、補足としてRDRBが発生した場合、
過去のローソク足の動きを見ると、FVGが発生することがありますが、そのFVGはスルーされます。
スルーされたFVGを「Breakaway Fair Value Gap」と言います。
つまり、RDRBが発生して反発すると、
FVGのギャップを埋めることなく、トレンド方向に進むのです。
FVGまで価格が落ちずにトレンドが進んだ場合は、RDRBが発生していたかもしれません。
Liquidity Void
Liquidity Voidとは、急激な価格変動で、埋めることができなかった流動性を意味します。
いわゆる「窓」が開くという現象になります。
特に為替では月曜は窓が空き、Liquidity Voidになりやすいです。
FVG
FVG（Fair Value Gap)とは、3本分のローソク足の関係を見たプライスアクションの一つです。
左右のローソク足が真ん中のローソク足のギャップ（隙間、価格差）があれば、
そのギャップを埋める動きをするという法則です。
「窓埋め」に近いプライスアクションです。
別名で「Hidden Gap（隠れた窓）」とも呼ばれます。
Order Block（オーダーブロック）
Order Block（オーダーブロック）は、
過去に発生した大口投資家（スマートマネー）の大量の注文量にフォーカスを当てます。
Order Block（オーダーブロック）は、注文が集まっている価格帯ということは、
大口投資家が大口注文を行うために、ストップ狩りを行いダマシをするための価格帯でもあります。
よって、Order Block（オーダーブロック）は、
意識されている可能性の高いサポレジラインになります。
Rejection Block
Rejection Blockとは、過去の最高値/最安値をブレイクダマシを行い、
反対方向に大きく動く価格帯を言います。
ローソク足の最高値/最安値を作ったヒゲをLiquidityとして捉えることが大切です。
Old High/Old Low
Old High/Old Lowは過去の高値と安値になります。
現行足の過去の高値と安値や上位足の高値と安値などもOld High/Old Lowとして機能します。
PD ArrayとMMXM
PD ArrayとMMXMはMTF分析することでより精度を上げます。
MMXMについては以下の記事を参照してください。
上位足は「PD Array」で押し目や戻りの場合は、
下位足では「MMXM」でトレンド転換している可能性があります。
下位足：MMXM
Market Structureのまとめ
Market Structureは市場構造を意味しております。
Market Structureで相場全体の動き方を理解した上で、
・どの時間帯でエントリーするか？
を組み立てていくと、自然とエントリーの精度もより高まると思います。
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