一目均衡表とは
今回は、万能なインジケーターである一目均衡表についてご紹介したいと思います。
この一目均衡表は、株式評論家の細田悟一氏が一目山人というペンネームで
戦前に発表したテクニカル指標です。
かなり古くからあるテクニカル指標ですが、今現在でも愛用者が多いです。
外国人FXトレーダーにも「東洋の神秘」として注目されており、
今では「ローソク足チャート」とともに日本で生まれ、
世界的に有名になった定番指標として知られています。
一目均衡表は、波動・時間・水準を総合的に分析するために取り入れられたチャートであり
相場のバランスを視覚的に判断することが可能です。
一目均衡表と他のテクニカル分析との大きな違いは、
多くのテクニカル分析が価格の変化や相場の流れを重視して
時間を二次的なものとして扱っているのに対して、
一目均衡表は時間を主体として、値段を二次的なものとして扱っている点です。
つまり「いくら」になるかを分析するより、
「いつ」を分析することに特化しているテクニカル指標といえます。
一目均衡表は意味ないのか?
よく一目均衡表は意味ないと言われていますが、
一目均衡表が意味ないと感じるのは正しい使い方を理解していないからです。
しっかりと正しい知識と正しい使い方を理解すれば一目均衡表は意味ないなどとはなりません。
一目均衡表の見方
一目均衡表は、以下の5つの線から構成されています。
・転換線 =(9日間の最高値+9日間の最安値)÷2
・先行スパン1 =(基準線+転換線)÷2を26日間先行させたもの
・先行スパン2 =(52日間の最高値+52日間の最安値)÷2を26日間先行させたもの
・遅行スパン= 当日の終値を26日遅行させたもの
それぞれについてご紹介していきます。
一目均衡表の基準線
基準線とは名前の通りで基準となる線です。基準線は一目均衡表の中でも最も重要視されています。
基準線は、過去26日間(本)の最高値と最安値の平均を結んだ線で、
相場の中期的な方向性を示します。
例えば、過去26日間の期間最高値が100円で、最安値が90円だった場合は95円が基準値となり、
この基準値を結んだ線が基準線となります。
26という数値は一目均衡の基本数値で、原則として固定して使われます。
一目均衡表の転換線
転換線とは、基準線と比較して活用する線です。
転換線は、過去9日間(本)の最高値と最安値の平均を結んだ線で、相場の短期的な方向性を示します。
基準線と同様に、最高値と最安値を足して2で割った数値を結びます。
この9という数値も基本数値のため、原則固定して使われます。
一目均衡表の先行スパン1と先行スパン2
先行スパンは、現在の値動きが未来にどのような影響を及ぼすのかという
2本の線(先行スパン1と先行スパン2)を使って表したものです。
先行スパン1は基準線と転換線の平均値を26日先行して表示させたものです。
先行スパン1は短中期的なトレンドを表す線です。
先行スパン1は、短期的な転換線と中期的な基準線の平均値を26日(約1ヶ月)先を表しています。
先行スパン2は過去52日間の最高値と最安値の平均値を26日先行して表示させたものとなります。
先行スパン2とは、長期的な値動きのトレンドを表す線です。
過去52日間(約2ヶ月)の高値と安値の平均値を26日先を表しています。
2つの線の間を塗りつぶすことで「雲」と呼ばれる帯状のエリアが浮かび上がってきます。
一目均衡表の遅行スパン
遅行スパンは、一目均衡の中で最も重要な要素と言われています。
遅行スパンとは過去と現在の動を比較するための線です。
当日の終値を26日(約1ヶ月)前を並行に移動してローソク足と比較して表示します。
つまり当日の価格と26日前の価格を比較しているということになります。
一目均衡表の雲について
一目均衡表には雲というものが存在します。
この雲は先ほども説明したとおり、先行スパン1と2に挟まれたものを指します。
トレンドを判断することができる
一目均衡表には雲はトレンドを判断することができます。
しかし、一目均衡表の雲の中にローソク足が入っている場合はレンジ相場になります。
サポートライン・レジスタンスラインになる
一目均衡表の雲はサポートライン・レジスタンスラインとして機能します。
雲の上にローソク足がある場合はサポートラインとして機能します。
雲の下にローソク足がある場合はレジスタンスラインとして機能します。
また、雲の厚さも重要であり厚い雲は強いサポートとなり反転しづらいです。
逆に雲の厚さが薄い場合はトレンド転換しやすい傾向があります。
雲の中にローソク足が入り雲の外へ抜けた場合は、
相場が反転やトレンドが加速する傾向があるので転換点として機能します。
一目均衡表では現在・未来・過去の3つの側面からチャートを分析が可能
一目均衡表では現在・未来・過去の3つの側面からチャートを分析が可能です。
未来:雲(先行スパン1、先行スパン2)
過去:遅行スパン
という風に使い分けする必要があります。これを一目均衡表の時間論と言います。
それ以外にも一目均衡表の3大理論『時間論・波動論・値幅観測論』が存在します。
詳しくは以下の記事で紹介しているので参照してください。
一目均衡表の三役好転・三役逆転を使った手法
一目均衡表には、三役好転・三役逆転という手法があります。
三役好転・三役逆転は一目均衡表で代表的なトレード手法になります。
三役好転とは以下の3つ条件を満たした状態に買い有利になります。
②遅行スパンローソク足を抜く
③ローソク足が雲が上抜く
三役逆転とは以下の3つの条件を満たした状態に売り有利になります。
・遅行スパンがローソク足を下抜く
・ローソク足が雲の下抜く
一目均衡表の遅行スパンを使った手法
一目均衡表の遅行スパンを使った手法です。
遅行スパンはローソク足と被っていない場合はトレンドが形勢されており、
ローソク足と被っている場合はレンジになります。
これを手法として活用すると以下のようになります。
遅行スパンが26日前の価格を上から下に下抜く:売りシグナル
一目均衡表の遅行スパンはボリ平ドラゴン式でも
使われたりもしていますので合わせてご覧ください。
一目均衡表の雲を使った手法
一目均衡表の雲を使った手法の一つに
アルファベットの「i」という文字になる場合は強いトレンドが発生します。
これを2つの雲で使った手法は以下の記事に記載していますので参考にしてみてください。
一目均衡表を学ぶためのオススメの本
一目均衡表を学ぶためのオススメの本について説明していきます。
一目均衡表の原理
一目均衡表の原理はかなり基礎から応用まで学ぶことができる一冊となっています。
一目均衡表の研究
一目均衡表の研究も一目均衡表使うなら非常に勉強になりますね。
まとめ
FXの一目均衡表は視覚的に捉えやすいです。
また、非常に奥の深いテクニカル指標だと思います。
一目均衡表を気に入った方は、ぜひ活用してトレードの幅を広げてみてください。
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