移動平均線について
今回は、移動平均線についてご紹介したいと思います。
移動平均線はローソク足と同じレベルの信用できるテクニカル指標となります。
ヘッジファンドや大口の投資家も移動平均線は重要視していることが多く
それだけ信頼できるテクニカル指標なのでぜひマスターしましょう。
移動平均線とは
移動平均線とは、一定期間の平均価格を日々計算して出した「答え」を線でつないだものです。
例えば5日移動平均値は5日分の平均価格となります。
そして、日々の平均価格を線でつないだものが5日移動平均線となります。
平均価格(ここでは終値の平均)を使用することで日中の大きな変動に惑わされることなく、
移動平均線では、
現在の相場の方向性(トレンド)がどちらを向いているのかを見ることができます。
移動平均線の計算式
移動平均線の計算式は以下の通りです。
例えば、5日移動平均線を作ってみます。
移動平均線の計算には価格の終値(日足チャートであれば、1日の終わりの価格)を用います。
1日目 | 100円 |
---|---|
2日目 | 110円 |
3日目 | 105円 |
4日目 | 110円 |
5日目 | 100円 |
6日目 | 118円 |
最初の5日間(1日目から5日目)の終値の平均値を出します。
(100+110+105+110+100)/5=105
なので、チャート上の5日目の位置の105円の場所に点が置かれます。
次に1日ずらした5日間(2日目から6日目)の終値の平均値を出します。
(110+105+110+100+118)/5=108.6
チャート上の6日目の108.6円の場所に点に置かれます。
今チャートの上には2点が置いてある形になっていますが、これをつなぐと線ができます。
これが移動平均線の計算の仕組みになります。
移動平均線の種類
移動平均線の種類についてご紹介したいと思います。
移動平均線には3つの種類が存在しているので、それぞれの特徴をしっかりと把握してください。
単純移動平均線(SMA)
単純移動平均線とは、ある一定の期間の終値を単純に平均した
数字で作られている移動平均線になります。
加重移動平均線(WMA)
重移動平均線とは、例えば5日加重移動平均線だと、
五日目の価格を5倍、四日目の価格を4倍、三日目の価格を3倍、
二日目の価格を2倍にして計算しています。
単純移動平均線よりも、直近の価格に重点を置いた分析をできるようにしています。
指数平滑移動平均線(EMA)
指数平滑移動平均線は、直近の価格を2倍にして計算したものです。
例えば5日EMAであれば、五日目の価格を2倍にして合計し、5で割ったものです。
そのため、加重移動平均線と比べて、より直近の価格に重点を置いたものになっています。
ハル移動平均線(HMA)
ハル移動平均線(HMA)は、アラン・ハルにより2005年に開発された移動平均線です。
移動平均線の中では近年に誕生した新しい移動平均線です。
多くの種類の移動平均線が弱みとしている遅延を軽減して、
さらにダマシも少なくするよう開発されたものです。
三角移動平均線(TMA)
三角移動平均線(TMA)は、Triangular Moving Averageの略で、
日本語では三角移動平均線と言います。
この三角移動平均線(TMA)は海外では良く使用されます。
通常の移動平均線(SMA)よりも滑らかな動きになります。
先行移動平均線(DMA)
先行移動平均線(DMA)は、
移動平均線を本来の位置から未来や過去にずらして表示させたものです。
主にディナポリ手法で使用される移動平均線です。
移動平均線の期間
よく使われる移動平均線の期間ですが、
25日:約1ヵ月の終値の平均価格
75日:約3ヵ月の終値の平均価格
100日:約半年の終値の平均価格
200日:約1年の終値の平均価格
区切りの良い数字をトレーダーは利用しているケースが多いです。
特にオススメなのが200MAです。200MAは昔から人気のある期間になります。
なぜ200MAが機能しやすいのかと言うと、
ま有名な「グランビルの法則」の発案者として知られるグランビル氏が、
統計学の期間平均を株価に応用する方法を発見した際、
より精度の高い期間が何日かを知るためにバックテストを繰り返しました。
その結果、200日がもっとも信頼できることを確認したと発表したことから
200日が使われるようになったと言われています。
200MAはトレーダーがよく使用しますのでぜひ使いましょう。
移動平均線の活用方法
・移動平均線は角度でトレンドの強さを把握できる
移動平均線とローソク足の位置関係
移動平均線とローソク足の位置関係です。
下降トレンドの場合:移動平均線よりもローソク足が下にある状態です。
レンジの場合は移動平均線角度が無くローソク足も値動きがない状態になります。
移動平均線の角度に傾きが大きければ大きいほど強いトレンドになります。
また、移動平均線のパラメータも数字が大きいほど傾きがあれば、
それだけ強いトレンドということがわかります。
逆に全く移動平均線に傾きがない場合はレンジです。
移動平均線は傾きを見ることでトレンドの強弱を把握することも可能です。
基本的には
移動平均線よりもローソク足が下にある:ショートエントリーに絞る
というトレードが良いでしょう。
移動平均線は支持線と抵抗線に活用できる
移動平均線は支持線と抵抗線にもなりますので、そういった方法で活用するするというのも
1つの移動平均線を活用する方法です。
抵抗線(レジスタンスライン):移動平均線がローソク足の抵抗になる
これも非常に重要なので頭に入れておきましょうね。
ゴールデンクロス・デッドクロス
ゴールデンクロス・デッドクロスとは、
二本の短期移動平均線と長期移動平均線がクロスしたタイミングです。
デッドクロス:短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に抜くタイミング
ゴールデンクロスでは、強い上昇トレンドを指しており、
デッドクロスでは強い下降トレンドを指しています。
移動平均乖離率
移動平均乖離率とは、価格が移動平均線からどれだけ離れている(乖離している)かを
数値化した指標です。
移動平均線というのは名前のとおり平均を表しています。
移動平均線とローソク足の関係性ですが、
移動平均線とローソク足が遠い距離の場合:ローソク足は平均に近付こうとする
といった習性を持っています。
これは相場では非常に重要な考え方なので、ぜひ頭に入れておきましょう。
パーフェクトオーダー
私は、移動平均線を使用する際に、
短期・中期・長期の3つを使いこなすことが大切だと思います。
短期線や長期線の組み合わせはダマシが多いです。
例えば先ほど説明したゴールデンクロスやデッドクロスは短期と長期の移動平均線を使用しますが、
私は、短期・中期・長期の3つを活用することで相場全体の流れを見ながら
短期的な動きを見ることができます。
パーフェクトオーダーとは、短期・中期・長期の三本の移動平均線のすべての傾きが、
同じ方向へ一致した状態のことです。
先ほど説明した3つの移動平均線を使いこなす手法です。
パーフェクトオーダーでは、それぞれの移動平均線の角度が急なほど、
トレンドが強いことを意味し、トレンドが継続する期間も長くなる傾向があります。
パーフェクトオーダーが現れるということは、トレンドの状態が強いことを意味します。
パーフェクトオーダーでは、
トレンドフォローと言ってトレンドの流れに合わせた売買戦略がトレードの基本です。
現在のトレンドが反転するポイントを予測して、
トレンドの流れと反対の売買を行う逆張りだと、
結局、何度も損切りするハメになる可能性が高くなります。
勘に頼った逆張りではなく、パーフェクトオーダーの流れに素直に従う戦略に徹しましょう。
まとめ
移動平均線は非常に重要なテクニカル指標なのでこの記事でしっかりと何度も読み返して
トレードに活かしましょう!!
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