エリオット波動とは
エリオット波動理論はチャート理論の一つで、エリオット波動とも言われます。
米株アナリストのラルフ・ネルソン・エリオットによって1938年に研究された歴史ある理論です。
この理論は、相場波動は5つの上昇波と3つの下降波を基本として
ひとつの周期が成り立っているとする考え方です。
この周期は人間の集団心理によって繰り返されるとされており、
数分から数年といった様々な時間軸において観察されます。
1000年単位の歴史の周期まで視野に入れた壮大なものです。
元々は株式チャートの分析手法として誕生しましたが、
今では株式のみならず為替をはじめとする投資に関連する
相場全体の分析手法として用いられています。
今回は、エリオット波動についてご紹介していきたいと思います。
エリオット波動の定義
エリオット波動の定義について説明します。
エリオット波動とは、
・3つの下降波
の合計8つの波を1つのサイクルとして形成される理論になります。
トレンド方向の値動きである5波の動きのことを推進波と言います。
トレンドに逆らう動きである3波の動きのことを調整波と言います。
では、具体的に一つ一つのエリオット波動の波について学んでいきましょう。
エリオット波動の第1波
第1波はトレンド転換後の新しい波の始まりです。
ですが、時間的に長続きしない小さな波になります。
エリオット波動の第2波
第2波は最初の調整波になります。
第1波の上昇に対して38.2%〜61.8%の比率で調整波で収まることが多いです。
そして、第1波の起点よりも下回ることはありません。
エリオット波動の第3波
第3波はトレンドが最も出やすく最長になる一番トレンドフォローで入りたいポイントです。
第2波の値幅の138.2%〜161.8%になることが多いです。
第1波からからみて1.618倍〜2.618倍が上昇の目安になる推進波です。
また、エクステンションが起きた場合は261.8%〜423.6%まで伸びることもあります。
エリオット波動の第4波
第4波の伸び幅は38.2〜61.8%に収まることが多いです。
第2波で値幅が小さければ第4波の値幅は大きくなる傾向があります。
第1波の1.618倍または、第3波の0.382倍〜0.618倍の値幅です。
第4波の安値は第1波の高値よりも下回ることはないです。
エリオット波動の第5波
第5波は、第4波の値幅の161.8%までに収まることが多いです。
第1波の0.382倍、0.5倍、0.618倍または、第4波の1.618倍の上昇が目安になります。
エリオット波動のa波
a波は調整の始まりです。短期的に大きく下げることが多い波です。
エリオット波動のb波
b波はa波の調整になり、三尊やダブルトップ・ボトムの右山の形成となることが多いです。
エリオット波動のc波
c波の値幅は、第1波〜第5波までの伸び幅の50%~61.8%になることが多いです。
エリオット波動を見つけるための3つの条件
エリオット波動を見つけるための3つの条件があります。
基本的にこの3つの条件が該当しないものはエリオット波動不成立だと考えます。
非常に大切なので頭に入れておいてください。
・4波の安値は1波の高値と基本的に重複しない。
・2波と4波の構成は異なる。
2波の安値は1波の安値を絶対に下回らない
推進波において3波は1波、3波、5波の中で最も短くはならないというのが条件になります。
4波の安値は1波の高値と基本的に重複しない
推進波の中で2波が1波の始点を超えて安値をつけることがないというのが条件になります。
2波と4波の構成は異なる
推進波の中で4波が1波の高値を割り込むことはないというのが条件になります。
エリオット波動のエクステンション
エリオット波動のエクステンションについてご紹介します。
エリオット波動に近いものの、
パターンが崩れているように見えたり、波の数が違っていたりする場合があります。
これらはエリオット波動の変形型でエクステンションと呼ばれます。
エクステンションで多いのは、
・第5波が長くなるケース
です。
第3波が長くなるケースは以下のようになります。
第5波が長くなるケースは以下のようになります。
残り2つの波は値幅は同じくらいになります。
ですので、こうした法則性があります。
・1波と3波が同じくらいの値幅であれば最後の5波は1波と3波よりも大きな値幅になる
ということを考えればどれだけ今後のトレンド動くのかある程度予想がつくと思います。
エリオット波動の6つの波動
エリオット波動には6つの波動からできています。
・V波動
・Y波動
・P波動
・N波動
・S波動
I波動
I波動は単純に上昇・下降した場合の波動パターンです。
I波動を形成したあとにV波動となる傾向があります。
V波動
V波動はI波動の流れとは逆に動く波動パターンです。
V波動はI波動の後に形成され、N波動などに繋がるケースがしばしば見られます。
Y波動
Y波動は上下にジグザグと動き、その幅が徐々に広くなる波動パターンです。
エントリー難度が非常に高いです。
P波動
P波動はY波動と同じようにジグザクと上下に動きますが、
その幅が徐々に狭くなる波動パターンです。
形成された後はN波動への繋がりが考えられます。
N波動
N波動はI波動とV波動が組み合わされた波動パターンです。
N波動は最も基本的な波動で、このN波の中に様々な波動が形成されるパターンが殆どです。
S波動
S波動は急激な上昇・下降が発生したときに現れる波動パターンです。
N波動後に反発し、形成されるケースが多いです。
エリオット波動はダウ理論の関係
エリオット波動はよく知られているダウ理論の発展を表します。
相場には一定のサイクルがあるという考え方で、ダウ理論の影響を強く受けている分析方法です。
ですので、エリオット波動を活用するのであれば、
ダウ理論もしっかりと理解しておく必要があります。
エリオット波動が使えないやこじつけと言われる理由
エリオット波動が使えないやこじつけと言われる理由ですが、
エリオット波動はあとからチャートを見た時にそれが〇〇波目だとわかりますが、
しかし、チャートが動いている場合にエリオット波動をカウントができないということが、
エリオット波動が使えないやこじつけと言われる理由です。
エリオット波動は波という値幅の縦軸だけを考えていますが、
時間という横軸の考え方を加えることでエリオット波動が機能しやすいです。
そのためサイクル理論などと併用してエリオット波動を活用するのが良いでしょう。
エリオット波動のインジケーター
エリオット波動のインジケーターは下記のリンクになります。
無料で提供されているものなので自由に活用してください。
エリオット波動を学ぶオススメの本
エリオット波動を学ぶオススメの本ですが、エリオット波動入門が一番ベストかなと思います。
良ければ購入して読んでみてください。
まとめ
エリオット波動は私自身も裁量トレードなどで使用することが多い理論なので、
ぜひ今回の記事を参考にしてエリオット波動をマスターしてください。
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