Donchian Channels(ドンチャンチャネル)とは
Donchian Channels(ドンチャンチャネル)は、
アメリカの投資家であるリチャード・ドンチャン氏が考案したテクニカル分析の一つになります。
HL(ハイロー)バンド・プライスチャネル・高低線とも呼ばれたりします。
1970年代初頭に開発されたテクニカル指標で、
日本ではかなりマイナーな部類のインジケーターです。
しかし、アメリカの投資家には絶大な人気のトレンドフォロー指標であり、
タートルズというトレーダー集団が用いたことでも有名です。
ボリンジャーバンドと同様に人気があり、様々な手法が研究されています。
Donchian Channels(ドンチャンチャネル)の計算式
Donchian Channels(ドンチャンチャネル)の計算式はシンプルです。
一定期間内の最高値と最安値をラインで表示するだけです。
LOWER BAND = 直近n日の最安値
Mバンド(中間線) = HバンドとLバンドの平均線
※nは任意で設定
Donchian Channels(ドンチャンチャネル)とボリンジャーバンドの違い
ドンチャンチャネルは、直近の最高値と最安値を使用してボラティリティを測定します。
ボリンジャーバンドは、平均値からの標準偏差でボラティリティを測定します。
そのため、ドンチャンチャネルでは、価格の異常な変動の影響を直接受けるのに対し、
ボリンジャーバンドはデータを平滑化することで、外れ値の影響が少しマイルドになります。
Donchian Channels(ドンチャンチャネル)の使い方
Donchian Channels(ドンチャンチャネル)の使い方について説明します。
使い方は非常にシンプルで誰でも利用することができます。
まずチャート上で、設定した期間内の最高値と最安値をラインで表示されます。
最高値を結んだラインと最安値を結んだラインと、その中間線が引かれています。
ボラティリティを判断できる
トレンドの方向性を判断
基本的に順張りで活用します。
また、中央にある中央線でトレンドの方向性を確認しながら、
HLバンドの傾きなどでトレンドの強さを判断します。
サポレジラインとして活用
Donchian Channels(ドンチャンチャネル)はサポレジラインとして活用することもできます。
Donchian Channels(ドンチャンチャネル)の4週ルール
Donchian Channels(ドンチャンチャネル)の考案者である、
リチャード・ドンチャン氏は『高値・安値の値動きのパターンの類型』を研究していました。
そこで経験則によると相場は『4週間(20日)』で入れ替わるとして、
過去の20日の安値を下抜きした場合:売りエントリー
というルールを提供しています。非常にシンプルなエントリーやエグジットのルールですが、
このドンチャン4週ルールの有効性は特にスイングトレードでは評価されています。
ちなみにこの4週ルールの優位性は、
『タートル流投資の魔術』や『究極のトレーディングガイド』などの本に詳しく解説されています。
タートルズと呼ばれるトレード集団が、4週ルールの変形である29日ブレイクアウトを用いて、
開始1年で1人当たり平均約100%のリターンを上げたとも言います。
この話は米国であまりに有名になってしまったために、
逆に彼らの手法を狙い撃ちするトレード手法が登場してしまったため、
その効果も薄れてしまています。
チャネルブレイクアウト
4週ルールをベースにしたチャネルブレイクアウトという手法があります。
これは過去40日と過去20日を併用した順張り手法で、
以下のルールでエントリー、エグジットのシグナルとします。
・20日バンドの安値抜け:決済
・40日バンドの安値抜け:売りエントリー
・20日バンドの高値抜け:決済
オープニングレンジ・ブレイクアウト(ORB)
オープニングレンジ・ブレイクアウト(ORB)は、
過去n期間の値動きの平均値(ATR)を基準にして、
『ある足が始値から基準値のX%以上動いたら』その方向にエントリーします。
例えば、過去3期間の安値–高値の平均値が10万円でXが70%した場合、
次の足で始値から7万円上に動いた時点で買いでエントリーします。
この手法は、ラリーウィリアムズの『短期売買法』などで解説されています。
情報をわかりやすくまとめました。
直近のn本分の足のレンジ(高値-安値)の平均値
〜抜け幅〜
・始値〜高値(平均値を基準)を抜けた場合→上昇トレンド→ロングエントリー
・始値〜安値(平均値を基準)を抜けた場合→下降トレンド→ショートエントリー
Donchian Channels(ドンチャンチャネル)のインジケーター
Donchian Channels(ドンチャンチャネル)のインジケーターは、
MT4に標準搭載されていないので、オススメのインジケーターを何種類かご紹介します。
HiLobands
HiLobandsは2本の線のみを表示しているインジケーターです。
こちらは中間線が無いのでよりシンプルなインジケーターになります。
Donchian Channels
Donchian Channelsは中間線が表示されているインジケーターになります。
こちらのほうがオーソドックスになるので、私はこちらが活用しやすいと思います。
まとめ
Donchian Channels(ドンチャンチャネル)は、
アメリカではボリンジャーバンド並に活用されているインジケーターですので、
もし興味があればぜひ活用してみてください。
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