サイクル理論とは
サイクル理論とは、為替相場で上下する周期(サイクル)に対して
一定の法則性を導き、取引に応用した理論です。
サイクル理論はアメリカの証券アナリストの
レイモンド・A・メリマンさんが提唱した理論で、
安値から安値を1つのサイクルという捉え方をします。
為替相場は基本的に上昇と下降を繰り返して相場を形成します。
サイクル理論を使うことで、相場の全体の流れを把握することができます。
サイクル理論の周期の数え方
サイクル理論の周期はローソク足の数を数えていきます。
ローソク足の本数を数えて行き、サイクル周期を判断すれば次の値動きも予測可能です。
基本的にサイクル理論は以下のローソク足の本数で決まっています。
メジャーサイクル:日足ローソク足約40本分
プライマリーサイクル:週足ローソク足約18本分
サイクル理論は安値から安値を1つのサイクルとして捉えます。
実際のチャートだとこのようになります。
サイクル理論の7つの種類
サイクル理論には7つの種類が存在します。
表を見てもらえれば分かる通り『短期・中期・長期』の様々な時間軸のサイクルがあります。
種類 | 周期 |
---|---|
長期サイクル | 40〜100ヶ月 |
中間サイクル 季節サイクル | 12〜20ヶ月 |
プライマリーサイクル | 18〜30週 |
メジャーサイクル | 20〜35日 |
トレーディングサイクル | 10〜18日 |
4H(アルファ)サイクル | 5〜8日 |
1dayサイクル | 1日 |
特にサイクル理論では、以下のの3つが良く使用されます。
・日足のメジャーサイクル
・週足のプライマリーサイクル
それぞれについて詳しく説明していきます。
4Hサイクル(アルファサイクル)
4Hサイクルの基本周期は『4時間足60〜80本』を一つのサイクルとして形成します。
4Hサイクルは、別名『アルファサイクル』と呼ばれます。
4Hサイクルはデイトレードなどの4時間足を使用したトレードに使用されます。
メジャーサイクル
メジャーサイクルの基本周期『20〜35日』で形成されます。
つまり『3〜4つの4Hサイクル』で構成されます。
メジャーサイクルは、プライマリーサイクルと共に使用されることが多いです。
プライマリーサイクル
プライマリーサイクルは基本周期『18〜30週』で形成されます。
つまり『2〜4つのメジャーサイクルで構成』されます。
サイクル理論にはオーブ(誤差)の概念が生じる
サイクル理論は常に同じタイミングで天井や底をつけるわけではないです。
つまり、サイクル理論には誤差が生じます。
この誤差のことをオーブと呼びます。オーブは平均周期の±1/6とされています。
以下の範囲で収まる確率は80%だと言われています。
メジャーサイクル:日足35~45本前後
プライマリーサイクル:週足15~21本前後
この間に天井や底をつけてサイクルの周期が終わる可能性が高いです。
サイクル理論のライトトランスレーションとレフトトランスレーション
サイクル理論にはライトトランスレーションとレフトトランスレーションと呼ばれる
チャートパターンが存在します。それぞれについて詳しく説明していきます。
レフトトランスレーション:サイクルがスタートした安値よりも低い位置で次の安値を作る
ライトトランスレーション
ライトトランスレーションは、サイクルがスタートした安値よりも高い位置で
次の安値を作ることで、1つのサイクルが終了する形です。
サイクルの中で上昇期間が長く、下降期間が短いため山が右にズレた形になります。
上昇局面によく見られるので、ロングの優位性が高くなります。
レフトトランスレーション
レフトトランスレーションは、サイクルがスタートした安値よりも低い位置で
次の安値を作ることで、1つのサイクルが終了する形です。
サイクルの中で下降期間が長く上昇期間が短いため、山が左にズレた形になります。
下降局面によくみられるので、ショートの優位性が高くなります。
サイクル理論を考え方をご紹介します。
②起点を割ってから高値は更新しない
③安値(終点)は高値を付けたところから最安値となる
④上位のサイクルボトムは下位のサイクルボトムでもある
⑤あるサイクルの中に下位サイクルが1個しかないパターンはない
ということを頭に入れておくと、サイクル理論を使いやすくなります。
サイクルは続けてカウントする
サイクル理論では、前サイクルの終点が次サイクルの起点になります。
ですので、サイクルは続けてカウントするようにしましょう。
起点を割ってから高値は更新しない
サイクルをカウントする際に起点を割った時点で、現在高値がそのサイクルの高値となります。
高値を更新した場合はカウント間違いです。
その高値からの安値を起点として再度カウントし直します。
上位のサイクルボトムは下位のサイクルボトムでもある
サイクルの安値(終点)は、高値を付けたところから最安値となります。
安値(終点)は高値を付けたところから最安値となる
サイクルには同時性があり、規模の大きいサイクルボトムは、
その下位サイクルボトムでもあることが定義されています。
つまり、プライマリーサイクルのボトムと判断したある安値は、
メジャーサイクルのボトムでもあり、4Hサイクルのボトムでもあります。
よってサイクルを分析する際は、上位のサイクルから順に分析することをオススメします。
あるサイクルの中に下位サイクルが1個しかないパターンはない
サイクルには調和性の原理があり、1つのサイクルの中にそれより周期の短いサイクルが
1個しかないというパターンは存在しません。
つまり、サイクルはフラクタル構造になっているわけです。
プライマリーサイクルの中には、基本的にメジャーサイクルが2~3個含まれていますし、
メジャーサイクルの中には4Hサイクルが2〜3個含まれています。
サイクル理論が使えない・勝てないと言われる理由
サイクル理論が使えない・勝てないと言われる理由ですが、
サイクル理論のインジケーター
fxnav_bar_countsは、ローソク足の本数を自動で表示してくれるインジケーターです。
サイクル理論はローソク足の数を数えないといけないのですが、
目視で数えるのは手間なのでインジケーターで自動で表示してくれるのは有り難いです。
サイクル理論を学ぶためのオススメの本
サイクル理論を学ぶためのオススメの本についてご紹介します。
FXサイクル投資法マスターブック
サイクル理論を学ぶ本ですがオススメなのは『FXサイクル投資法マスターブック』ですね。
FXサイクル投資法マスターブックではメリマンサイクル論についてわかりやすく解説されています。
相場サイクルの基本
相場サイクルの基本は世界的に有名なサイクルアナリストである
レイモンド・メリマン氏が解説する相場サイクルの基本解説書になります。
サイクル理論を学ぶなら読んで損はない一冊になります。
アノマリー投資 市場のサイクルは永遠なり
アノマリーとは、相場に内在するサイクル、季節性、クセなどです。
本書ではそうしたことに関して詳しい解説されています。
まとめ
今回はサイクル理論についてご紹介しました。
サイクル理論はかなり奥が深い理論ですが、
一つの分析方法として知識は持っておいても良いと思います。
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