勝てるトレーダーは思考力が高い
勝てるトレーダーは高い思考力を持っています。
フランスの有名な哲学者のパスカルの「人間は考える葦である」という言葉をご存知ですか？
これは、
人間は自然の中では葦のように弱い存在である。
しかし、人間は頭を使って考えることができる。
「考える事こそ人間に与えられた偉大な力である」
ということを述べています。
そもそも考えるとはどういう意味なのでしょうか？
考えるとは「概念の海に意識を漂わせ、情報と知識を分離・結合させ、整理する行為」です。
考える行為によって「意識を使って情報を整理すること」ができます。
よく、頭が良い人の定義を「学力が高い」や「記憶力が良い」と思っている人が多いです。
しかし、私の中での頭の良さとは「考える力があるかどうか」だと思っています。
クイズ番組で難しい問題を素早く解く東大生よりも
IPPONグランプリで、大喜利で笑いを取るお笑い芸人の方が頭が良いと思っています。
何が正しいかわからない答えのないFXの世界では、
「優位性がどこにあるのか？」という考える力が必要になります。
メタ思考とは
メタ思考とは「抽象と具体の距離、空間軸の広さ、そして情報と知識を編集する行為」です。
具体的に言えば「対象を一度抽象化し、本質に迫り再度各論に落とす思考のこと」です。
アインシュタインは、
「あらゆる問題はそれが起こったことと同じ次元で解決することはできない」と言いました。
よくLINEなどの質問で「〇〇のテクニカル指標だけで勝てますか？」と言われますが、
テクニカル指標をいくら研究や勉強して悩んでいても解決することはないです。
それより一つ上の次元であるチャート全体から分析するという視点を持ち、
トレードを捉え直したときにはじめて氷解します。
私もFXのトレードで勝てるようになったのは、このメタ思考ができるようなったからです。
メタ思考の本質
メタ思考の最終的な目的は「本質を見抜き、核心を突く代替案を見つけること」です。
本質的とは何かと言うと、3つの共通する要素があります。
・不変性（時が経っても変わらないこと）
・単純性（シンプルであること）
こういった本質を押さえると、その後応用できる可能性が高くなります。
勝てるトレーダーはこの「普遍性・不変性・単純性」のあるトレードの型を持っています。
普遍性（応用がきくこと）
普遍性とは応用がきくことです。ある分野についてその本質（原則）をつかんでしまえば、
他の様々な問題は芋づる式に解決してしまうような解のことです。
不変性（時が経っても変わらないこと）
不変性とは時が経っても決して錆びることがないことです。
例えば、ダウ理論は古くからある理論ですが、今でも活用できる理論です。
本質的思考によってつかみ取った答えは、過去、そして未来永劫に通用するものとなっています。
たまたま時期が良くて使えるのではなく、未来永劫使える形にしなければなりません。
単純性（シンプルであること）
単純性とはシンプルだということです。本質というのは、いつ何時もとてもシンプルです。
物事の本質を理解しようと努めるうえで非常に重要なことで、
この世の中は一見複雑に見えても、本当の問題は最終的には一つしかありません。
ですので、勝てるトレーダーのチャートを見ると、
ほとんどインジケーターは入っておらずシンプルなチャートをしています。
そして入るエントリーポイントも似ていたりもします。
結局、見えている本質が同じであるということです。
思考力を鍛えるための3つのテクニック
思考力を鍛えるための3つのテクニックについて説明します。
なぜ？という問いを持つ
「なぜ？」と問うことにより、考えることを考えるようになります。
すぐに答えをググったり、タグッたりするのではなく、一旦は自分の頭で考えてみましょう。
大抵のことは調べれば答えは出てきますが、自分で考えるということが大切です。
物事の共通点を探すクセを身につける
物事の共通点を探すクセを身につけましょう。これはアナロジーで考えるということです。
アナロジーとは「類似のものから推測する」ことです。
例えば、フラクタル構造がチャートにあることを発見した人は、
自然界のフラクタル構造をチャートに当てはめて考えたから発見されたということです。
アナロジー思考が得意な人は、全く異なるように見えることに共通点を見出して、
新しいアイデアを生み出せる能力を保有しています。
すべてのものは有機的なつながりを持っている
「すべてのものは有機的なつながりを持っている」という前提に立つことが必要です。
世界は違うように見えてすべては共通するという前提にたって考えると、
物事と物事の間の関係性が見えてきます。
すると、物事の上位概念や下位概念、因果関係といったものが明らかになっていきます。
対象を俯瞰し、一見関係のなさそうなものの「因果関係（有機性）」を見抜き、
「本質」を捉えることができます。
思考力を鍛える上で気をつけること
思考力を鍛える上で気をつけることをご紹介します。
運動をする
あなたの思考力は、体調に大きく影響を受けています。
一般的に、体調がよく思考がクリアーなら、よい考えが浮かびやすいです。
逆に体調が悪ければ、どうしても判断が鈍ってしまいます。
東京大学大学院医学系研究科の研究では、
メタ認知能力は脳の前頭葉内の「前頭極」が司ることが示唆されました。
前頭極の働きが鈍っていると 無知の知の自覚ができなくなるそうです。
京都大学名誉教授の久保田競氏は、
運動することで前頭極をはじめとする脳部位が活性化するとのことです。
ぜひ、思考力を鍛えたい方は運動を習慣化してください。
なるべく一人時間を作る
思考力を磨くためには、人の多いところに行かないのが良いでしょう。
例えば、人混みや満員電車に乗らないなどです。
逆になるべく一人時間を作ることが思考力を鍛えるためには必要です。
孤独な時間は、自分と向かい合うことで考える時間ができるからです。
情報のノイズの遮断をする
考える力を身につける上で、
手軽に検索して情報を得られる「情報過多社会」は考えるには不利な状況なんですね。
なぜなら、答えがすぐに与えられるので自分で深く考えるプロセスが失われてしまいます。
情報量が増えれば増えるほど、人は思考しなくなります。
これを「情報と思考のパラドックス」といいます。
ですので、意識的に情報流入を制限し、常に「思考量＞情報量」を意識しなければなりません。
FXも同様で、必要ないテクニカル指標を表示させていると、
「思考量＜情報量」となってしまい本質を見抜くことがしずらいです。
勝てるトレーダーのチャートがシンプルなのは「思考量＞情報量」となっているからです。
不必要なテクニカル指標は情報のノイズになりますので断舎離しましょう。
静謐な空間の追求
静謐な空間の追求も大切なことです。ガヤガヤして雑音が多いところでは集中できませんし、
モノなどが散らかっている場所も注意力散漫してしまいます。
ですので、整理整頓や雑音の遮断などするようにしましょう。
新しい価値観を手に入れる
思考力を鍛えるためには、新しい価値観を受け入れないという頑固な考えはやめましょう。
多くの人は、自分の価値観にこだわってしまうがゆえに、
非常に狭い視野でしか物事を考えられなくなります。
思考力を鍛えるために役立つ2つのツール
思考力を鍛えるために役立つ2つのツールについてご紹介します。
二項対立
二項対立とは、二つの概念が存在しており、
それらが互いに矛盾や対立をしているような様のことを言います。
二項対立で意識するのは「目的と手段」と「原因と結果」の二つです。
これはトレードでも非常に重要になります。
ロジックツリー
ロジックツリーは「個々の物事を分解・整理するためのツール」です。
ロジックツリーを利用すれば、問題の全体から徐々に掘り下げていき、
問題を構成している原因をリストアップすることができます。
メタ思考でチャートを考える
メタ思考でチャートを考える場合どのように応用が効くのでしょうか？
私がメタ思考で気づきについてご紹介します。
そもそも、チャートというのは「時間（x軸）」と「価格（y軸）」の2次元座標になっています。
そして、さらにチャートは上位足や下位足などの時間足が存在しますので、
「MTF分析（z軸）」という3次元座標でチャートが成り立っています。
そして、この3次元座標を測るための物差しが存在します。
・トレンド→ダウ理論
・時間→サイクル理論
・押しや戻り→フィボナッチ
・波→エリオット波動
・MTF分析→フラクタル構造
値動きを様々な角度から測ることができる道具がテクニカル指標なんですね。
このように目の前のローソク足だけではなく、チャート全体を俯瞰して考えれば、
チャートがどのような構造になっているのかをメタ思考で考えることができます。
まとめ
FXのトレードは、ただがむしゃらに努力するのではなく、
メタ思考を活用して本質を見抜くことができれば、
効率的な努力によってより楽に成果を出すことができます。
本質を見抜くことは簡単ではないですが、最もコスパの高い方法です。
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