FXの通常の移動平均線をずらして使用するDMA(先行移動平均線)の使い方・設定・手法についてわかりやすく解説してみた
目次 DMAとはDMAの仕組み(なぜ未来にずらすと機能するのか)DMAの特徴ちゃぶつきを回避できる押し目や戻りがわかりやすい利確タイミング通常の移動平均線との違いDMAの設定や期間取引スタイル別のシフト幅の選び方DMAの […]

- DMAとは
- DMAの特徴
- DMAの設定や期間
- DMAの使い方
- DMAの組み合わせ
DMAとは
DMAとは、Displaced Moving Averageの略で日本語では先行移動平均線と言います。
DMAは移動平均線を本来の位置から未来や過去にずらして表示させたものです。

DMAはディナポリ手法でメインで使用される移動平均線になります。
今回はこのDMAについて徹底解説していきます。
DMAの仕組み(なぜ未来にずらすと機能するのか)
DMAは「N期間のSMAを、さらにM本分だけ未来(または過去)にずらして表示する」という仕組みです。表記は「DMA(N×M)」となり、例えば「DMA(3×3)」なら3本の単純移動平均線を3本分未来へシフトします。
通常のSMAは「過去N本の平均値を、その時点の位置に表示する」ため、価格が急変した直後は移動平均線がまだ古い値を引きずっており、反応が遅れます。DMAはこの平均値を意図的に未来側へずらすことで、視覚的に「これから価格が向かう可能性のある水準」として扱えるようにし、遅れて反応する移動平均線特有のちゃぶつきを軽減する狙いがあります。
具体例で見てみます。直近3本の終値が150.00円・150.20円・150.10円だった場合、3SMAの値は(150.00+150.20+150.10)÷3=150.10円です。通常のSMAならこの150.10円を「直近の足」の位置に表示しますが、DMA(3×3)では3本先の位置に表示します。この「先に表示する」という操作自体が計算式を変えるわけではなく、あくまで表示位置(ローソク足との対応関係)をずらしているだけである点は理解しておく必要があります。
DMAの特徴
DMAの特徴についてご紹介します。
ちゃぶつきを回避できる
通常のSMA(単純移動平均線)でトレンド継続するかどうかを判断しようとすると、
一時的な相場のレンジで移動平均線を抜けてしまい、ちゃぶつきがはっせいします。
ちゃぶつきはトレンド継続中のレンジで発生します。

このちゃぶつきを回避する対策としてDMAで未来にシフトするという発想になりました。
未来にシフトすることでちゃぶつきを回避できるためトレンド方向が安定しやすいです。

押し目や戻りがわかりやすい
DMAは通常の移動平均線をN期間分シフトさせているためN期間分トレンドが早く分かります。
よって早くトレンド転換を把握することができますし、
押し目や戻り目のタイミングを知ることができます。

利確タイミング
DMAはN期間分シフトさせているため、利確タイミングとしても機能します。
ローソク足の価格の実体が、DMAを割り込んだりタッチした場合は利確タイミングになります。

通常の移動平均線との違い
通常のSMA/EMAは「表示位置=計算対象期間の最新の足」ですが、DMAは「表示位置≠計算対象期間の最新の足」という点が本質的な違いです。この差により、通常の移動平均線は「現在のトレンド方向の確認」に強く、DMAは「押し目・戻りのタイミングや利確ポイントの目安」に強いという役割分担になります。両者は競合する指標ではなく、通常の移動平均線でトレンドの大枠を確認し、DMAでエントリー・決済の微調整をするという併用が基本的な使い分けです。
DMAの設定や期間
DMAの設定や期間ですが、主なDMAの期間としては次の3本のDMAを利用します。
DMA(7×5)→7SMA×シフト+5
DMA(25×5)→25SMA×シフト+5
個人的には「DMA(3×3)」が最も使いやすいです。
取引スタイル別のシフト幅の選び方
シフト幅(N×M)は、値が小さいほど反応が早く値動きに敏感になり、値が大きいほど反応が緩やかでダマシに強くなる代わりに反応が遅れます。取引スタイルの目安としては次のように使い分けるとよいでしょう。
・スキャルピング〜デイトレード:DMA(3×3)を中心に、短い時間足(5分足〜15分足)でのエントリー・利確タイミングの微調整に使う。反応の早さを優先。
・スイングトレード:DMA(7×5)を中心に、1時間足〜4時間足で押し目・戻りのタイミングを判断する。反応速度とダマシ耐性のバランスを取る。
・中長期トレード:DMA(25×5)を中心に、4時間足〜日足でより大きなトレンドの押し目・戻りの目安として使う。
いずれのシフト幅でも、単体で判断せず後述のグランビルの法則やオシレーター系指標と組み合わせることで、ダマシに対する耐性を高められます。
DMAの使い方
DMAの使い方について説明します。
シングル・ペネトレーション
DMAは通常、ディナポリ手法として使用されます。
その中でも「シングル・ペネトレーション」が最もシンプルで使いやすいです。
シングル・ペネトレーションは、8本〜15本以上のスラストが発生したあとに
フィボナッチ・リトレースメントの「38.2%」で押し目や戻り売りを狙う方法です。

グランビルの法則
DMAは押し目買いや戻り売りタイミングが、
非常にわかりやすいため、グランビルの法則などに使用するのが良いでしょう。
移動平均線がゴールデンクロスしているため上昇トレンドであることがわかります。

そしてDMA(3×3)をローソク足が上回り、
短期の移動平均線を抜けてグランビルの法則でロングエントリーします。

移動平均線がデッドクロスしているため下降トレンドであることがわかります。

そしてDMA(3×3)をローソク足が下回り、
短期の移動平均線を抜けてグランビルの法則でショートエントリーします。

DMAの組み合わせ
DMAの組み合わせについて説明します。
ストキャスティクス
DMAはストキャスティクスと組み合わせるのもオススメになります。
ストキャスティクスについては以下の記事を参照してください。

DMAとストキャスティクスを組み合わせることで、
それぞれの波のうねりを活用して、押し目や戻り売りのタイミングが掴みやすくなります。
ストキャスティクスが20以下でクロスして、
ローソク足がDMAを上回るタイミングでロングエントリーします。

ストキャスティクスが80以上でクロスして、
ローソク足がDMAを下回るタイミングでショートエントリーします。

一目均衡表
DMAは「一目均衡表の雲」と組み合わせして使用するもオススメです。
一目均衡表については以下の記事を参照してください。

DMAと一目均衡表の雲の共通点は、
「値動きよりも先行しており将来の予測に使える」点です。
一目均衡表のトレンド方向とDMAの押し目買いや戻り売りのタイミングを合わせます。
ローソク足は一目均衡表の雲よりも上にあることを確認します。

DMAよりもローソク足が上回るタイミングでロングエントリーをします。

ローソク足は一目均衡表の雲よりも下にあることを確認します。

DMAよりもローソク足が下回るタイミングでショートエントリーをします。

ダマシが出やすい局面と対処法
DMAにも弱点があり、次のような局面ではダマシが発生しやすくなります。
・レンジ相場:明確なトレンドがない横ばい相場では、ローソク足がDMAを何度も上下に抜け続け、シグナルが頻発して信頼性が下がります。対処法として、事前にADXなどでトレンドの有無を確認し、トレンドが弱い局面ではDMAのシグナルを見送るという判断が有効です。
・指標発表直後の急変動:経済指標発表直後は値動きが荒くなり、DMAを一時的に大きく突き抜けてすぐ戻るケースがあります。対処法として、発表直後の数分〜数十分はエントリーを見送り、値動きが落ち着いてから判断するのが安全です。
・シフト幅が値動きに合っていない場合:短いシフト幅を長期足で使う、または長いシフト幅を短期足で使うと、シフト先の位置がその時間軸の値動きと噛み合わずダマシが増えます。時間足とシフト幅の組み合わせ(前述の取引スタイル別の目安)を見直すことが対処法になります。
いずれの局面でも、DMA単体で判断せず、グランビルの法則やストキャスティクス・一目均衡表などの他指標と組み合わせて確認することで、ダマシに引っかかるリスクを下げられます。
まとめ
DMAは使い方が様々あり通常の移動平均線に加えて使用すると、
ちゃぶつきが無くよりエントリーの精度も高くなると思います。
ただし、DMAも他の移動平均線系指標と同様にレンジ相場や急変動時にはダマシが発生します。単体で判断せず、トレンド確認や他指標との組み合わせを前提に活用することをおすすめします。
ぜひ、DMAを活用してトレードしてみてください。