VWAP(出来高加重平均価格)を使ったエントリー判断の3つのタイミングについてわかりやすく解説してみた
VWAP(出来高加重平均価格)は移動平均線と似た形でチャートに表示されますが、性質を混同するとエントリーのタイミングを誤りやすい指標です。この記事ではVWAPの計算式・移動平均線との違いに加えて、リテスト・ブレイクアウト・標準偏差バンドという3つのエントリー判断の考え方、損切り・利確ラインの置き方までまとめて解説します。

- VWAPとは何か(出来高加重平均価格の基本)
- VWAPがエントリー判断に使われる理由
- VWAPを使ったエントリー判断の3つのタイミング
- VWAPを使う際の損切り・利確ラインの置き方
- VWAPと相性の良い指標との組み合わせ
「VWAPが機関投資家の目線を映す指標」と聞いても、
実際にどこでエントリーすればいいのか分からない。
そんな声をよく聞きます。
VWAP(出来高加重平均価格)は、
移動平均線に似た形でチャートに表示されますが、
性質を混同するとエントリーのタイミングを誤りやすい指標です。
この記事では、VWAPの基本的な考え方に加えて、
エントリー判断に使える3つのタイミング、
損切り・利確ラインの置き方までを整理して解説します。
1. VWAPの計算式と移動平均線との違い
2. エントリー判断に使える3つのタイミング
3. 損切り・利確ラインの置き方と相性の良い指標
VWAPとは何か(出来高加重平均価格の基本)
VWAPの基本的な見方については
機関投資家が目標値として使っているVWAPの見方や使い方
でも解説していますが、
この記事ではエントリー判断に絞って掘り下げます。
VWAPの計算式
VWAP(Volume Weighted Average Price)は、
日本語で「出来高加重平均価格」と呼ばれます。
FXには株式のような出来高がないため、
多くのインジケーターはティック数などを
出来高の代わりに使って計算しています。
移動平均線との違い
VWAPは移動平均線と似た曲線を描きますが、
性質は同じではありません。
移動平均線は過去の終値を単純または加重平均しますが、
VWAPは出来高(取引量)を加味するため、
その期間に多く取引された価格帯へ寄っていきます。
また、多くのVWAPインジケーターは
1日や1週間など一定の期間でリセットされる点も、
連続して計算され続ける移動平均線との違いです。
VWAPがエントリー判断に使われる理由
なぜVWAPがエントリーの判断材料として
注目されるのかを整理します。
その期間に取引した人の損益分岐点になる
VWAPは、その期間中に平均的な価格で
取引した参加者の損益分岐点に近い水準を示します。
価格がVWAPより上にあれば、
その期間に買った多くの参加者が含み益、
下にあれば含み損の状態にあると捉えられます。
機関投資家が意識する水準とされる
VWAPは大口注文を執行する際の
目標値・執行水準として使われることがあるとされ、
海外のトレーダーの間では意識されやすい水準の一つです。
ただし、VWAP付近で必ず反発するという
保証があるわけではありません。
あくまで判断材料の一つとして捉える必要があります。
VWAPを使ったエントリー判断の3つのタイミング
VWAPをエントリーの判断に使う場合、
代表的な考え方は次の3つです。
| パターン | 相場環境 | 着眼点 |
|---|---|---|
| ①リテストエントリー | トレンド継続 | VWAP付近での反発 |
| ②ブレイクアウトエントリー | レンジ卒業 | 出来高を伴った実体抜け |
| ③バンド逆張りエントリー | 行き過ぎた乖離 | 標準偏差バンドへのタッチ |
①VWAPへのリテスト(押し目・戻り)でエントリーする
価格がVWAPを実体で上(下)に抜けたあと、
一度VWAP付近まで戻ってから
再び反発する場面を待つ方法です。
上抜け後の戻りで下ヒゲを付けて反発すれば、
押し目買いの根拠の一つとして扱われます。
反対に、下抜け後の戻りで上ヒゲを付けて反落すれば、
戻り売りの根拠として考えられます。
ドル円のVWAPが146.00円のとき、
147.20円まで実体で上抜けたあと146.90円付近まで戻り、
下ヒゲを付けて反発した場合を押し目買いの根拠の一例とする、という考え方です。
②出来高を伴ったブレイクアウトでエントリーする
レンジの上限・下限とVWAPが重なっている局面で、
出来高を伴って実体で抜けたことを確認してから
エントリーを検討する方法です。
だましを避けるため、
ブレイクした足が確定してからエントリーを検討し、
確定前の途中経過だけで飛び乗らないようにします。
145.80円〜146.00円のレンジ内にVWAPも収まっている状態から、
出来高を伴って146.00円を実体で上抜けて確定した場合を、
上方向ブレイクの一例とする、という考え方です。
③標準偏差バンドを使った逆張りでエントリーする
VWAPに標準偏差を加えた「VWAPバンド」を表示すると、
価格がどれだけVWAPから乖離しているかを視覚化できます。
・1σ:やや行き過ぎ、利確の目安にされやすい水準
・2σ:行き過ぎ、短期的な反発を警戒する水準
2σなど大きく乖離したバンドにタッチした場面では、
短期的な反発を狙った逆張りが検討されることがあります。
VWAPが146.00円、2σバンドの上限が147.00円のとき、
価格が147.00円付近まで急伸してタッチした場合を、
短期逆張りを検討する一例とする、という考え方です。
ただし強いトレンド中はバンドに張り付いたまま
動き続けることもあるため、
他のトレンド系指標と組み合わせて判断することが重要です。
VWAPを使う際の損切り・利確ラインの置き方
エントリーだけでなく、
損切り・利確ラインの置き方もあわせて確認します。
損切りはVWAPの反対側に置く
リテストエントリーであれば、
反発を確認したVWAPの反対側に
損切りを置く考え方が一般的です。
想定と逆にVWAPを抜けた場合は、
根拠が崩れたと判断してエントリーを見直します。
利確はバンドや直近高安を目安にする
利確ラインは、
VWAPバンドの1σ・2σや直近の高値・安値を
目安にする方法があります。
・VWAPバンドの1σ〜2σ
・直近のスイングの高値・安値
・他の水平線(サポレジライン)
VWAPと相性の良い指標との組み合わせ
VWAP単体ではなく、
他の指標と組み合わせることで判断材料を増やせます。
ピボットと組み合わせて水準の説得力を確認する
VWAPとピボットはどちらも
「その期間の基準となる水準」を示す指標です。
両方が近い価格帯で重なっている場合、
その水準が意識されやすいという
判断材料の一つになります。
移動平均線でトレンド方向を確認する
VWAPは期間ごとにリセットされるため、
より長い期間のトレンド方向は
移動平均線
などで別途確認しておくと安心です。
VWAPと移動平均線が同じ方向を示している場面は、
どちらか一方だけの場面より
判断材料が重なっていると捉えられます。
VWAPが機能しやすい時間軸・相場環境
VWAPの性質上、
向いている時間軸や相場環境には傾向があります。
デイトレード・スキャルピング向きの指標
多くのVWAPは1日単位でリセットされるため、
ポジションをその日のうちに決済する
デイトレードやスキャルピングと相性が良いとされています。
レンジ相場ではだましが増えやすい
方向感の乏しいレンジ相場では、
VWAP付近を何度も上下し、
リテストやブレイクアウトの判断が難しくなることがあります。
その場合は無理にエントリーせず、
明確な方向感が出るまで待つことも選択肢の一つです。
VWAPを使う際の注意点
VWAPを活用する際に
気をつけておきたい点を整理します。
VWAPは遅行指標である
VWAPは過去の価格・出来高をもとに計算されるため、
将来の値動きを予測する指標ではありません。
あくまで「これまでの参加者の平均的なコスト」を
示す指標として捉えておく必要があります。
単独の根拠だけで判断しない
VWAP付近というだけでエントリーの根拠を確定させず、
値幅・時間帯・他のテクニカル指標もあわせて確認します。
・VWAPに触れただけで反発すると決めつける
・バンドにタッチしたら必ず逆張りできると考える
・損切りを置かずにVWAP付近を保有し続ける
よくある質問
VWAPのエントリー判断でよく聞かれる疑問を整理します。
VWAPはどの時間足で見ればいいですか?
明確な決まりはありませんが、
デイトレードなら5分足〜1時間足など、
保有時間に合わせた時間足で確認する例が多く見られます。
VWAPと移動平均線はどちらを使えばいいですか?
どちらか一方を選ぶというより、
役割が異なる指標として併用する考え方もあります。
移動平均線でトレンド方向を確認し、
VWAPでエントリーの目安を探すという
使い分けもできます。
VWAPだけで勝率を上げられますか?
VWAPは判断材料の一つであり、
これだけで勝率が上がるという性質のものではありません。
資金管理や損切りルールとあわせて
運用することが前提になります。
VWAP(出来高加重平均価格)を使ったエントリー判断の3つのタイミングについてわかりやすく解説してみた:まとめ
VWAP(出来高加重平均価格)は、
その期間に取引した参加者の
平均的なコストを示す指標です。
エントリー判断では、
①VWAPへのリテスト、②出来高を伴ったブレイクアウト、
③標準偏差バンドを使った逆張りという
3つのタイミングが代表的な考え方です。
損切りはVWAPの反対側、
利確はバンドや直近高安を目安にするなど、
出口までセットで検討しておくことをおすすめします。